內容簡介
內容簡介 〈従って以下に述べることは生物学とも精神物理学とも自然哲学とも名付けえないもので、むしろこれらの各領域から得られた手掛りを継承し、特別な方式の実験的研究を教え、ひいては病理学や治療医学の研究に今までとは違った裏付けと根拠を与えようとするものである。……これが理論的という名の学問であるから、それが実地の経験や感覚による観察を軽視するものではないかという疑念は、まずもって退けられてよい。逆にむしろ、実験的研究の概念の方がそれの理論的考察の概念よりもより大きな影響を及ぼしたのである。また主体の導入ということは、それによって客観性が制約されるというような意味をもつものではない。ここで問題にされているのは、主観性あるいは客観性のいずれかの一面だけではなく、この両面の結合である。〉(「第四版への序」より)受苦(パトス)に連帯性を求めた医学的人間学を構想し、『パトゾフィー』を執筆したヴァイツゼッカー。その過程で、理論的な中心となった著作(1940年、初版刊行)。運動と知覚、主体と客体を、二分対立に先行する円環構造=ゲシュタルトクライスとして理解する。生物学、医学、哲学を越境する、生命をテーマとした人間学の試み。
作者介紹
作者介紹 ヴィクトール・フォン・ヴァイツゼッカー(Viktor von Weizs?cker)1886-1957。ドイツに生まれる。代々プロテスタントの牧師、神学者、学者の家系であった。1904年テュービンゲン大学医学部に入学、のちフライブルク大学やハイデルペルク大学で生理学・哲学・内科学を学ぶ。1909年医師国家試験に合格。第一次大戦で野戦病院に配属中より神経学の研究をはじめる。1920年以後ハイデルベルク大学の内科神経科部門部長。のちに教授となり医学的人間学の構想をいだくとともに臨床的・実験的研究を続ける。第二次大戦後、ハイデルベルク大学の「臨床医学総論」講座主任教授。邦訳に『神・人間・自然』(みすず書房、1971)、『病因論研究』(講談社、1994)、『生命と主体』(人文書院、1995)、『病いと人』(新曜社、2000)、『パトゾフィー』(みすず書房、2010)がある。木村敏(きむら・びん)1931年生まれ。京都大学名誉教授。元河合文化教育研究所所長、同主任研究員。2021年歿。著書『木村敏著作集』全8巻(弘文堂、2001)、『関係としての自己』(みすず書房、2005)、『精神医学から臨床哲学へ』(ミネルヴァ書房、2010)、『臨床哲学講義』(創元社、2012)ほか。訳書 ヴァイツゼカー『パトゾフィー』(2010)、ビンスワンガー『精神分裂病』I・II(共訳、1960-61)『現象学的人間学』(共訳、1967)、ブランケンブルク『自明性の喪失』(共訳、1978)『目立たぬものの精神病理』(監訳、2012、以上みすず書房)ほか。濱中淑彦(はまなか・としひこ)1933年生まれ。名古屋市立大学名誉教授。著書 『精神の科学』1(共著、岩波書店、1983)、『臨床神経精神医学』(医学書院、1986)、Viktor von Weizs?cker zum 100. Geburtstag(共著、Springer、1987)、『幻覚・妄想の臨床』(編著、医学書院、1992)ほか。訳書 ボイテンディク『人間と動物』(1970)、エー『ジャクソンと精神医学』(共訳、1979、以上みすず書房)、シッパーゲス『中世の患者』(監訳、1993)、ラアリー『中世の狂気』(監訳、2010、以上人文書院)ほか。